先日、協会で「養子の思春期について」をテーマにした研修を開催しました。
5歳半のAちゃんを迎え、4年になる養父さんも参加されました。
迎えた当初、Aちゃんは養母さんにべったりで、
養父さんと2人で公園へ遊びに行こうとして玄関を出るまではできても、
すぐに「ママもーー!」と逆戻りすることが多々ありました。
それにもめげず、養父の仕事が休みの時には、Aちゃんの遊び相手となり、
Aちゃんがしてほしいということに応えようと頑張りました。
次第に、Aちゃんと養父さんとの距離も縮まり、
Aちゃんは養父さんの仕事の休みの日が楽しみになりました。
小学校に入学し、
ギリギリまで寝ていて遅刻しそうになったりしながらも
元気に通い、友だちともよく遊んでいる様子のAちゃん。
お菓子づくりや料理をするのが好きで、
協会の運動会には、
自分と養父母の3人分のお弁当を作って参加していました。
しかし、最近は何かと養父に反抗的で
「そろそろ、思春期に入ってきたんかな。勉強しようと思って。」と
受講動機を話してくれました。
思春期は、子どもと大人の両面を抱え、脳細胞が活発に動いてイライラしたり、
自分が何者なのかを自ら問うたりして、揺れ動き、悩む時期です。
養子の場合、
さらに「自分はなぜ産みの親に育てられなかったのか」
「自分の居場所はここにあるのか」などという疑問や怒り、喪失感も持ちます。
それらの気持ちをぶつけ、受け止めて欲しい相手は、
今そばにいる養親となります。
「何かと『わかってる!』とか、
『あっち、いって』、『こっち、こんといて』とか、言うんですわ~」と
言いながら、
「成長してきたんやなーと思って」と笑いながら話す養父さんは、
反抗的になられても変わらずAちゃんのことが
かわいいんだなぁと感じました。
「子どもの心に敏感にならないといけないですね」と感想を言ってくれ、
これからもAちゃんに寄り添ってくれることを願っています。