大阪事務所では毎月「あたらしいふれあい」という機関紙を発行し、
会員、寄託者、里親、里親申込者等々、3000部ほど発送している。
機関紙は職員で分担し、協会の仕事にまつわること、
里親子の親子むすび、個人的な話などを書いている。
分量は800字から1600字ぐらいのちょっとしたエッセーなのだが、
これがなかなか難しい。
3000人以上の読者はすべて里親にまつわることに従事しているわけではない。
その人たちでも読んでわかるものを書く必要があり、
自分がテーマを決めて書いたものを職員に回覧する。
誰がチェックしたか分かるように色の違うペンで訂正や修正が入るので、
初めて書いた白い紙に黒字が印字されていた原稿は、
色鮮やかになって返却される。
それをまた書き換え、回覧するというのは、最低でも3回、
多いと5回以上になるだろうか。
わさわさは「何回も書いていればこの文字数が体に染みてくるのよ」
と言うが、私は今のところ何年経っても「体に染みてくる」感じがしない。
そんな必死になって書いた原稿に対して、
時々読者の方から感想をいただくことがある。
「あれ、よかったよ」と言われるのも嬉しいし、
自分が書いた原稿に対して、厳しい意見や反対意見もあるが、
それもまた真剣に読んでいただいたからこそと思うと、
それもありがたいなと思っている。
また、「あの原稿を読んでこう思った」と
自分の体験を交えて熱い感想をいただくこともある。
先月号で私は、担当した小学1年生の男児の親子むすびについて書いた。
先天的に病気、障害のある男児に「この子を育てたい」という養親が
見つかった話であったが、それを読んで長年会員として機関紙を
読んでくださっている方から感想を送っていただいた。
ご自身のお子さんにも病気、障害があったそうで、その体験も交え、
その男児が養親のいっぱいの愛情に包まれ、
成長していることを喜んでくださっている内容が書かれていた。
四苦八苦して書いた原稿がストレートに伝わったように思え、
誰かの心を動かせたように思え、とても嬉しかった。
毎月苦労している「あたらしいふれあい」の原稿であるが、
「頑張って書かないとなぁ」と改めて思った。