先日、3歳11ヵ月のT君は長年住み慣れた施設を出て、
里親宅に引き取られました。
先月半ばから里母中心で施設に実習に通い始め、
T君は緊張しながらも少しずつ里父母との関係を作ってきました。
もうすぐ4歳になるT君は元気いっぱい。
でも、食事にはあまり興味がなくて、今まで施設ではご飯を食べていたのに、
里母と食事をする時には好きなものしか食べなくなりました。
それでも里母は試行錯誤しながら付き合ってくれていたと思います。
施設実習はこれまで関係ができてくると
少しずつ長くさせてもらえていたのですが、コロナ禍になり、
感染対策のため午前中2時間、午後2時間となってしまいました。
それをよくわかっているT君は、午前中の実習が終わる時間になり、
先生が部屋に迎えに来ると逃げ回り、時間稼ぎをする日もありました。
毎日、里母が来てくれる確信が持てるようになると、
納得して里母と離れられるようになり、
午後また里母来てくれるのを待つように。
自分だけに会いに来てくれる存在がいることの大きさを感じさせられました。
いよいよ施設とお別れするということをよくわかっているT君は
前日のお別れ会から不安定だったそうです。
部屋から出てきたT君は担当の先生に抱かれ、表情は暗かったです。
部屋の子どもたちがお見送りに出てきてくれていましたが、
先生にしがみついたまま表情は変わりませんでした。
それでも里父母の車に乗ることは拒まず、すんなりと施設を出て行きました。
施設や職員さん、お友達とのお別れは寂しいけれど、
里父母と一緒に暮らしていくんだ!というT君の覚悟を感じたお別れになりました。
これから里父母との生活がスタートです。
ゆっくり親子になってくれたらいいなぁと思っています。