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かていようご

Author:かていようご
(社)家庭養護促進協会 大阪事務所のワーカー日記です。


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2012/10/01からの訪問者


3歳のAくんと出会いのあった里父母。
本来ならばもっと早くに面会できる予定でしたが
施設内でコロナ感染者が出て、先に終わるはずの里親実習が
なかなか進まず、面会の日程調整は難航しました。
里父母は「このご時世だから仕方ない」と言いあいながらも
「本当に会えるのか…」という不安もあったそうです。
施設内でのコロナも収まって日にちが決まり、一安心。

面会の少し前、担当の施設職員からAくんに
「Aくんのパパとママになりたいっていう人がいて、○回寝たら来てくれるよ」と
里父母さんの写真を見せながら伝えられました。
普段は割とおちついているAくんですが、それを聞いた途端、嬉しくてジャンプをしたそう。
カレンダーにハートマークをつけて、カウントダウンをしていました。
面会前にこの話を聞いた里母は、「私たちも会うのを楽しみにしていた」とウルウル。

面会当日も「まだかな」と楽しみにしていたAくんですが
実際に里父母のいる部屋に来ると緊張で固まってしまいました。
里父母も緊張していましたが、そんなAくんの姿を見て
「かわいい」「写真で見ていたAくんが動いてる」と感激しっぱなし。
緊張で言葉を発することはできませんでしたが
持ってきたプレゼントを介して、一緒に遊ぶことができました。

里父母とのお別れの時間になり、職員さんに手を引かれて
外に出ようとするとドアの前で座り込んでしまいました。
職員さんの声掛けに反応もできませんでしたが
「パパとママとバイバイするのが嫌なの?」と言う問いかけには
おおきくうなずいたAくん。
「また明日」と里父母と約束をして、なんとかその日はお別れすることができました。

面会の日にはあれだけ緊張していたAくんも
今は里父母とたくさんおしゃべりし、関係を深めています。
少しずつ親子になっていってもらえたらと思っています。
先日、中学3年のA君が関東地方から遊びに来てくれました。
これまで、養父母さんと一緒に来たことはありましたが、
今回は一人での来所。

中高生になって協会をたずねたいということは
実親のことなどルーツ探しにまつわる相談であることが多いので、
A君も何か話したいことがあるのだろうかと考えていました。

やってきたA君は、どのようなルートで大阪までやってきたのか、
今回の旅で楽しみにしている乗り物や観光地のことや学校での様子など
いろいろな話をしてくれました。

思っていたような話の展開ではなかったので
「何か聞きたいことがある?」など話をふってみると
「特にない」と言われました。
幼少期に真実告知をされ、
A君が大阪にいたこと、協会(ずしずし)を通じて出会ったことは
親子の間で自然に話をされています。
産んでくれたことには感謝しているが、それ以上の気持ちはなく、
今が全てだと思っているそうです。
なんでも話せる親友の存在も大きいようです。

今回、A君は一人で関西への旅行を計画した時に
「せっかく関西にいくのだから、ずしずしさんに会いにいこう!」と思ったそうです。
以前来られた時に、
「次、中学生になったら一人で来る」と言ったことも果たしたかったそうです。
旅行の行程表には、電車などの乗継時間と行先がたくさん書かれていました。
行きたいところの中の一つに、協会を入れてくれて、
成長した姿で、元気にやってきてくれたことが
とても嬉しかったです。


今日は協会が月に1回開催している親子サロン「JBクラブ」の日でした。

事前に申し込みがあったのは2件でしたが、1件は体調不良で欠席に。
今日の参加は1件でした。
2歳の男の子で、保育園に行き始めたけど、
できるだけJBクラブは来たいと思って、
養母さんも仕事を調整してくださったようです。
おとなしめの男の子で、普段は他の子どもがわいわい遊んでいると、
養母さんのそばで控えめに遊んでいましたが、
今日は一人だったせいか、職員とボールを投げあったり、
走り回ったりと活発でした。
もちろん、子どもの成長もあるのでしょうが、
一人でのびのび遊ぶというのも、
今まで見ていなかった面が見えるのかなぁと思いました。

3月までは毎回10組近い親子が参加してくれていたのですが、
4月から入学、入園の子どもが多かったせいか、
4月以降は参加者が減っていますが、
これからマッチングする家庭も
ぼちぼち参加してくれるようになるかなと思います。

親子が一緒の部屋でのんびり遊んだり、
参加者同士、職員も交えてまったり話したりする遊び場なので、
気軽に参加してもらえるように働きかけていきたいと思っています。


3月末から施設実習が始まったA夫妻とB君。
お父さんお母さんを望んでいたのか、面会初日から
スムーズに楽しく遊んだり関わったりすることができました。

実習がスタートして3日目に施設内で発熱した人が出て、
新型コロナ陽性とわかり、実習が中断となりました。
2020年からコロナの問題で、
緊急事態宣言が出たり、まん延防止措置のために
実習がスタートできなかったことはありましたが
実習中に陽性者が出て、実習が中断したことはありませんでした。
3月のまん延防止措置が明けて、ようやく始まった実習でしたが
陽性者が出てしまいました。
発熱した子どもは隔離となりますが、
乳児院の同室の子どもたちは幼いためにマスクをしていませんので
3歳のB君は元気なものの、濃厚接触者となります。
その時点で実習を中断せざるをえず、残念でなりませんでした。
毎日の電話で、気持ちをつなげていけるよう
B君が里父母の写真を見ながら電話できるように
乳児院がしてくれていました。
おしゃべりな里母と、おしゃべりなB君で10分ほど話したり
できていたようです。

数人、陽性者が出て、16日ぶりに実習再開となりました。
間があいたとは思えないほど、B君と里母の関係づくりは順調で
どんどん仲良くなっていったのですが
また実習再開から6日目に陽性者が出てしまいました。
今度は実習を継続することになり、引き取り日の見通しが
立ったのも束の間、また陽性者が出てしまいました。
次々と、というほどではないものの、
ちょっと間をあけては、また出てしまうということになり
里父母は一旦再度中断するという方法を選びました。
施設の決定というわけではなく、里父母に選ばせてもらえたことは
ありがたかったのですが、
状況が落ち着くのか、快方に向かっていくのかどうか
という見通しはなんとも言えず、
待つしかないというのは、
里父母にとって辛かったことだろうと思います。
A夫妻は数日おきにB君に電話したり、プレゼントを送ったりして
くれていました。
「お友達のお熱が下がって、よくなったらいくからね」としか言えないのも、
B君も「うん」としか言えないのも互いにしんどかったでしょう。
今度は18日ぶりに再開となって、その後数日実習しました。
再開してからも、さらなる陽性者が出ないかどうか
ドキドキしていましたが、
ようやく家庭に引き取られる日を迎え、本当にホッとしました。
里父に抱かれ、ニコニコして笑顔のB君と
涙でビシャビシャになった里母が印象的な出発となりました。

真実告知や思春期、ルーツ探しなど、
養親さんたちにとって関心が高いであろうテーマを取り上げ、
年に数回開催している『養親ゼミナール』。

先週の土曜日に、「真実告知」をテーマに開催しました。
例年は、「真実告知」については、1回のゼミナールでおこなっていたのですが、
今年度は初めて、幼児~小学校低学年くらいの子どもの養親を対象に
「はじめての告知」をどんな風におこなうか、
それ以上の子どもの養親を対象に、
タイミングを逃して、告知ができないまま子どもが成長してしまった場合、
子どもの背景が複雑な場合などの告知をどんな風におこなうか、
…の2回に分けて開催することにしました。

この分け方がよかったのか、
Twitterや協会のサイトなどでも積極的に広報したのがよかったのか、
例年よりも多くの参加者の方がおられました。

養親ゼミナールは、協会経由の養親さんに限っているわけではないので、
他の民間の養子あっせん機関を通じて子どもを迎えた方も参加できます。
また、有料にはなりますが、養親になることを希望されている方や、
里親支援に関わっている関係機関の方の参加もOKです。

100組の親子がいれば、100通りの方法がある、「真実告知」なので、
ゼミナールでも、いろんな事例の紹介はしますが、
「こういう言い方でやりましょう」ということを教えるものではなく、
告知はなんのためにやるのか、何を伝えるためのものなのか、
それを伝えるためには、どういう言い方だと子どもに伝わるのだろう
…というような話を沢山させてもらうことになります。

2016年におこなった真実告知に関する調査のときに、
「あなたの真実告知のエピソードを教えてください」と合わせてお願いしたら、
40家庭から、エピソードが寄せられました。
調査報告書と告知事例集を合わせて、
「153のこたえと41のものがたり」(800円)として、冊子にまとめました。
40家庭のエピソードを紹介し、最後には
「41ばんめのものがたりはあなたのものがたりです」
とあります。

今回のゼミナールを熱心に聞いておられた参加者の家庭で、
ステキな「41ばんめのものがたり」が生まれますように。

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