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かていようご

Author:かていようご
(社)家庭養護促進協会 大阪事務所のワーカー日記です。


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2012/10/01からの訪問者


ほんの3日ほど少ないだけで、とても短く感じる2月です。
今日は2月の最終日です。

2月11日のイベントは無事に終わりました。
感染に気をつけての実施で、定員を半分にし、
「会話を控えてください」というプラカードをもって回りました。

阪急百貨店H2OサンタのNPOフェスティバルが
2月19日~21日に開催はされましたが、
ブースに人が立ってはいけないということになりました。
来場された方がブースを回ってのクイズラリーなどはあり、
少し知ってもらうことはできたかなとは思います。
これまでは、毎回、ブースに立っていると3日間の間に、
「直接相談してみたい」というご夫婦が数件は来られるので、
そういう来場の方と直接お話することができなかったのが残念でした。
また相談ではなくても、少し興味を持たれた方に、
週末里親や里親制度について
短い時間お話するということができるのに…と思っていました。

ちょっとだけ覗きに行かせていただいて
今回は「あかりバンク展」の展示があり、
(「あかりバンク」で検索してみてください)
和紙を通した灯にとても癒されました。
期待以上に素敵な作品で、作ってみたいなという気持ちとともに
協会でもワークショップか何かあかりのイベントを企画したいと思いました。

新型コロナウイルスの流行以降、元に戻るということはないものの、
またのびのびと人と出会い、交流したいなあ、とつくづく思う2月でした。



この時期、次年度の事業計画や予算を立てなければいけません。

コロナ禍で予定どおりに行事ができないことも多かったこの2年。
昨年度も「来年度こそは…」と思ったように思います。
今年度はキャンプは日程を減らしておこなったり、
運動会も感染対策を考えた競技にしたり、と
工夫しながら、昨年度よりもできたこともありました。
しかし、飴売りは2年続けて露店自粛になり、
収益事業に「収益」がなく、
いつも以上に会費や寄付に頼る活動となりました。

予算を立てるにも、
収益事業としての飴売りがどうなるのか…という心配や、
大阪府や大阪市の事業の委託料もありますが、
会費や寄付に頼るところが大きくなってしまうので、
「これでいいのだろうか…」と申し訳ない気持ちや、
いつも多くの方が支えてくださることに感謝を感じながら、
数字とにらめっこしています。

次年度は、遠方の希望者が増えたり、
制限がとれた活動ができるようになったりしますように、
と願っています。


「あなたの愛の手を」の記事を掲載してもらうにあたっては、
毎日新聞の記者さん、児童相談所職員、協会職員が
子どもが生活している施設へ出向きます。
そこで施設職員さんから子どもの様子を聞き、
子どもと会わせもらってやりとりをし、
写真を撮らせてもらいます。

それがコロナ禍に入り、集団生活を送る施設への
人の出入りを制限する必要があり、
オンラインで取材をするということが出てきています。

いつもは毎日新聞の記者さんが思いを込めて、
「とびきりの1枚」を撮ってくださり、新聞紙面に載せてもらっています。
オンライン取材ではそれができないので、
事前に施設から自然体で映っていそうなかわいい子どもの写真をいただき、
それを新聞紙面で使わせてもらいます。

取材当日は施設職員さんからの聞き取りをし、
子どもともパソコン越しで会わせてもらっています。
やり方は同じで、ただ、実際にその場所に行っていないというだけです。
施設職員さんも子どもの可愛さを伝えたいと思って、
子どもを盛り上げてくださるので、
パソコン越しでも子どもの可愛さは伝わります。
でも、臨場感は全然違い、
オンライン取材をするたびに
「対面でやりたいなあ」と思ってしまいます。

今回の第6波は子どもの施設や学校での感染者がかなり多く、
大阪のどの施設も厳戒態勢になっています。
命を守るためにはしょうがないことで、早くコロナが収束するよう、
祈る日々です。
このコロナ禍でも、子どもと里親のご縁はつながり、
少しずつですが、新しく親子は誕生しています。
今、できることをやらねばと思っています。

2歳のAくんは乳児院にいる時から人見知りをすることなく、
誰にでもニコニコと近づくタイプの子どもでした。
里父母との生活が始まると、里父母に抱っこを求め
言葉もたくさん増え、Aくんは大きく変化していきました。
Aくんは過食の傾向はあるものの、だいたい機嫌良く過ごしていました。

ところが、2か月ほど経ったある日の夕方
Aくんは突然シクシクと泣き始めました。
里母は初めて見るAくんの姿に驚きながらも
Aくんの不安な気持ちがあふれたのだろうと察し、
「ずっとお父さんとお母さんは一緒にいるからね」「大好きだよ」と伝えました。
Aくんはうなずきながら里母の言葉を聞いていたそうです。
しばらく泣いた後は、元通りの生活に戻りました。
里母はAくんが不安や寂しさを出してくれたことが嬉しく
さらにAくんを愛しく思う気持ちが高まったと話していました。

これからもAくんの嬉しい気持ちも不安な気持ちも
里父母がどんと受け止めて、親子関係を深めていきます。
2月11日に、
特別養子縁組制度の広報のためのイベント
『わたしの家族のはじまりは晴れた空の下だった』
を開催しました。

コロナの波はまだまだ落ち着かず、
直前まで開催を悩んだのですが、
感染予防に最大限に気を配りながら
なんとか開催できました。

今回のイベント、
第一部は
産院の前に置き去りにされ、
その後、特別養子として育った高校生の晴(はれ)と家族の物語である
朗読劇『1月16日』の上演、
第二部は
劇の脚本、演出の本多真理さんと
劇のモデルとなった養父母さんとの対談。

客席で舞台を見てくれていた、
晴ちゃんのモデルとなったMさん。
『ホンマによかった。
一部だけでもあかん、二部だけでもあかん、
この順番でやったことが、まずよかった』という感想だったそうです。

別のお客さんからも、
『一部は、養子の子どもの側の気持ち、
二部は、養親さんの側の気持ちが伝わってくる企画だった』
という感想をいただきました。

コロナ禍でなければ、
倍のお客さんを入れられたなー…
と残念な思いでいっぱいなのですが、
念願の『特別養子縁組をテーマにした劇』を作っていただくことができ、
第一歩を踏み出すことができました。
これからも、『1月16日』を多くの人に見てもらえる機会ができればいいなーと思います。

ちなみに、朗読劇のタイトルになった『1月16日』は、
確率的に晴れとなる確率が高いという、晴れの特異日。
その日に、晴ちゃんは生まれ、
産院の前に置き去りにされ、
『家族のものがたり』は始まりました。

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