複数回、「あなたの愛の手を」記事で紹介されたA君。
5歳になって、里親さんとの出会いがありました。
これまで面会や外泊はなく、
幼稚園の先生に「ぼくはお母さんがおらへん」と話していました。
「お父さんお母さんになりたい人が会いに来てくれるよ」と
施設の職員に知らされ、
「お父さんとお母さんが来るねん」と先生に報告し、
先生も喜んでくれ、里親さんとの面会を楽しみに待っていました。
里親さんが施設に通い、関係づくりをする中で、
「お父さんとお母さんは一緒に住んでるの?いいなぁ」と言ったり、
お家に行くのを楽しみにしてくれていました。
家庭に迎えられる日を指折り数え、当日は朝から楽しみにしていたものの
いざ、皆に見送られ、車に乗り込むと、
急にさびしくなったのか、うつむいて黙り込んでしまいました。
しかし、家に帰ると、
お父さんお母さんとおもちゃやゲームで遅くまで遊びました。
お家の生活が始まると
家のあちこちを探索し、
電話やリモコンのボタンをひたすら触りまくり、
思う存分、A君のペースで過ごすようになりました。
施設に通っていた時には見られなかった偏食をしたり、
トイレでお尻を拭いてもらったり今まで自分でしていたことも
お母さんにしてもらいがったりするようにもなっています。
最初の頃は、施設のことが気になり、
ほぼ毎日電話をし施設の職員さんと話していましたが、
1ヵ月が過ぎ次第に頻度が減っていき、
毎日家の近くの公園で遊んだり、
家でテレビやゲームをして過ごしています。
A君の気持ちも、少しずつ
お父さんお母さんとのお家での生活に向いていってくれているようです。