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かていようご

Author:かていようご
(社)家庭養護促進協会 大阪事務所のワーカー日記です。


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2012/10/01からの訪問者



大阪での1ヵ月間の実習を終えて、
2歳のA子ちゃんとともに、岐阜県の自宅に戻った里親さん。

慣れない都会のウィークリーマンションでの生活では、
ホームシックになったりもしましたが、
毎朝、NHKの朝ドラ「半分、青い。」を見ながら、
「岐阜弁」を懐かしく聞いていたそうです。

先日、家族一緒の生活が始まって3週間あまりの
おうちを訪ねました。
家のまわりには田んぼが広がり、
きれいな川も流れ、自然いっぱいのいい環境です。

乳児院にいるときは、「言葉がゆっくり」と言われていたA子ちゃんが、
すごくしゃべるようになっていたのに、びっくりしました。
「車でお出かけしているときも、
ず~~~っと、後ろの席でひとりでしゃべってるんですよ」とお母さん。

今はまだ、「あかん!」「ちゃう!」と、
「大阪弁」を連発しているようですが、
きっと、「岐阜弁」を操るようになるのも、あっという間でしょう。
次におうちにお邪魔するときには、
「岐阜っ子」になってるかなあ。
1歳半のAちゃんと実習中の里親さん。

Aちゃんは初めて会う人には緊張してしまい
慣れるまでに時間のかかるタイプだと言われていました。
初回の面会では里親さんが抱っこをすると泣かれてしまいましたが
里親さんには、想定内のこと。
「これからゆっくり関わって、安心してもらえるように」とおっしゃっていました。

実習を2日、3日と進めていっても、表情は硬いままで
抱っこをすると泣かれてしまっていました。

初回面会では、保育士さんに抱っこをされている状態で
左手は保育士さんをつかみ、
右手で大切にしているぬいぐるみをぎゅっと握りしめていました。
2日目も同じ状況でしたが
3日目にはぬいぐるみを置いて、里母さんと少しやりとりができるようになりました。

1週間ほどたってようやく抱っこやごはんの介助などもさせてくれるようになり
徐々に「Aちゃんにとって安心できる大人」に変化していっているようです。

里親さんは些細な変化も見逃さず、少しずつ関係が深まっていることを喜び
Aちゃんの不安な気持ちに寄り添っておられます。

慣れない施設での実習で、里親さんにとっては苦しい日々であるとも思います。
それでも「信じて付き合っていきます!」と頼もしい里親さんの言葉でした。
先日、週末里親のBさんとの出会いがあった3歳のA君。
初めての人や場所への不安が高く、
乳児院から児童養護施設に生活の場が変わるために
何度も担当の職員さんが乳児院に通い、
A君との関係づくりをしましたが、
声を出すことすらできませんでした。
でも、児童養護施設に変わると担当の職員さんを頼り、
活発な様子をみせてくれるようになりました。

面会や外泊などの機会が持てないため、
「A君に」会いに来てくれる特定の大人との関わりと
家庭生活を経験できることが必要だと考え、週末里親さんを探し、
出会うことになりました。
Bさんには関係をつくるのに時間がかかるかもしれないけど
気長につきあっていただきたいことをお伝えすると、
「A君にとったら不安ですよね」と理解し、
初めての面会となりました。

事前に「Bさんが、A君に会いに来てくれるよ」と説明した時は
「やったー!」と言って喜んでいたそうですが、
Bさんの待つ部屋に来ると、
担当職員さんに抱きつき顔を埋めていたA君。
職員さんが「ほら、楽しみにしてたやん」と声をかけてもだんまり。
「やっぱり、今日は話もしないかな・・・?」とも思いつつ
おもちゃを出して、遊びながらBさんと職員さんたちと話をしていると
チラチラと様子を気にし、
おもちゃで遊ぶために次第にBさんとの距離も短くなっていきました。
Bさんも声をかけてくれ、
A君もだんだんとおもちゃや絵本を指して「これ、何?」「何で?」と
質問ぜめに。
Bさんは一つ一つに答えてくれ、おしゃべりすることができました。

まだ緊張している様子はあり、
職員さんに促されながらでしたが、
最後は「また来てね!」と元気に挨拶して、別れました。

これから、BさんがA君に会いに来てくれます。
一緒にお出かけしたり、お家で過ごしたり、
いろんな経験を楽しんでね。

6月のワーカー日記に書いていたのですが、
3歳8カ月で里親と出会ったAちゃんには、
施設の先生方がAちゃんの心の準備ができるよう
カレンダーに丸印をつけてわかるようにしたり、
大きくした日本地図の上に車の絵を貼って
毎日動かして、「こっちに向かってきてくれているよ~」と
説明を繰り返してくださっていました。
(ほんとうは移動は数時間ではありますが)
Aちゃんがどこまでイメージができていたかはわかりませんが、
Aちゃんなりに、お父さんお母さんがやってくるのを、
待ってくれていたと思います。
とても緊張が高いと言われていたAちゃんが思いのほか、
里父母と一緒に遊んだり、話したりしていました。
面会後も、4,5日は里母と仲良く遊んだり散歩したりできていました。

その後、事態は一転。担当の保育士さんへの後追いが激しくなり、
里母のことを避けてみたり、保育士さんを求めて大泣きするような日々が
続きました。
とても悲しそうに泣くので、里母自身も何度か泣きつつ「どうしてやったらいいのか」と
思うこともありました。
里母と2人でおられるようになっても、保育士さんの名前を呼びながら、
2時間泣いたこともありました。
保育士さんと話し合う機会を持ってもらったり、へこみながらも通い続けてもらう中で
引き取りの日を迎えることができました。

引き取ってからも1カ月ほどは、
保育士さんの名前を言いながら泣くこともありましたが、
少しずつ少しずつ徐々に落ち着いていきました。
3カ月目になり、今は里母にべったりで、
毎日たびたび赤ちゃん返りをしながら、元気に暮らしています。
辛く大変な実習期間でしたが、実習をのり超えて、里母もたくましくなられたようです。
Aちゃんの要求を受け入れ、焦らず付き合ってくれています。
最近のAちゃんは「3人でしあわせ」とよく言うそうで、里母は喜んでおられます。
半年、1年と経過した頃にはより変化しているだろうと、
私も見守っていきたいと思います。



先日、もうすぐ20才になるAちゃんが事務所に遊びに来てくれました。

Aちゃんは6才直前に養親宅に迎えられた子で、
小学生の時はずっとキャンプに来てくれていました。
中学生になる時に、養父母の里に引っ越し、
遠方だったので会う機会もほとんどなく、
約8年ぶりの再会でした。

数ヵ月前に養父さんから連絡があり、
Aちゃんが大阪の専門学校に行っていると聞いたので、
連絡をとって会うことになりました。

自分の夢を叶えるべく、専門学校に通い、就職も決まって、
希望に満ちあふれていたAちゃん。
養父母さんも「好きなようにしたらいい」と言ってくれ、
自分のやりたいことをやり通してきたようでした。

養親宅に行く前から、行った後の話まで、
Aちゃんがどう感じていたかを聞くこともできました。

私の担当の子どもでは、成人する年齢の子どもがあまりおらず、
こうして、大人になった子どもと話せることはあまりありません。
夢に向かって頑張るAちゃんがまぶしくもあり、嬉しくもありました。

同じ大阪にいるので、これからも会えたら良いなと思っています。


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