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かていようご

Author:かていようご
(社)家庭養護促進協会 大阪事務所のワーカー日記です。


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2012/10/01からの訪問者


今日で今年度も最後となり、明日からはいよいよ4月ですね。
桜の開花とともに入園・入学のシーズンとなります。
先日の3月のJBクラブにも、春から入園・入学を
迎える子どもたちがたくさん来てくれました。
協会職員も、毎年この時期は、それぞれ担当の子どもについて
「今年は○○ちゃんが小学校入学、△△くんが幼稚園入園だなぁ」
「もうそんなに大きくなるのか。早いなぁ」と、
その成長の節目をうれしく思いながら過ごしています。

また、この3月中にお家に迎えられた愛の手の子どもたちは5人いて、
それぞれの家庭で、親子関係作りの真っ最中です。
担当者も、電話や家庭訪問で様子をお聞きしながら、
この大変な時期を一緒に支えていけるようにと思っています。

今、親子関係作り真っ最中の子どもたちも、
数年後に、入園・入学を迎える時には
養親さんと一緒に、初めの頃のことを振り返りながら、
その成長の節目を喜び合えているといいな。

今年度、協会から児童相談所へ里親候補の方を推薦した
愛の手の子どもたちは26人になりました。
20人を上回ったのは実に5年ぶりのことで、うれしく思うとともに、
まだ出会いを待っている子どもたちにもよい出会いがあるよう、
職員一同、新年度も引き続きがんばりたいと思います。

2歳7ヵ月のA君は、先週家庭に迎えられました。

それまでとても人見知りや場所見知りが強く、
「愛の手」の取材の時も新聞記者さんや私たちが入室しただけで大泣き。
B夫妻がA君を養子にと手を挙げられた時には、
出会ったら「絶対泣かれますから」と何度も念押ししたぐらいでした。

B夫妻と出会って、A君ははじめは少し緊張した様子もありましたが、
B夫妻の穏やかな雰囲気に引き寄せられるように甘えを見せてくれるようになりました。
実習の様子を見に行くと、「ママ」「ママ」といつも里母を呼び、
応えてくれると嬉しそうにしていました。
都会のど真ん中の施設だったので、人も車も多いところばかりだったので、
「怖い」「怖い」と言って、外出にはかなり手こずりましたが、
B夫妻が宿泊しているウィークリーマンションへの外出や外泊はスムーズで、
B夫妻と別れるのが辛いと大泣きするぐらいまでになっていました。

約2ヵ月間の実習を経て、B夫妻宅で暮らす日が決まりました。
B夫妻宅は関東なので、A君には「新幹線に乗るよ」と説明され、
家の写真も見せてくれていました。
B夫妻宅へ迎えられる日の当日、施設へ行くと、
A君としては準備は万端だったのか、「新幹線♪」と言いながら、
道中で食べるためのおにぎりを嬉しそうに見せてくれました。
そして、誇らしげにバギーに乗り込み、「バイバーイ」と言って
B夫妻と施設を後にしました。
家に着いてからも入ることもそれ程抵抗なかったようで、
毎日テンション高く過ごしているようです。

人への関係作りに時間がかかる子だったA君が、B夫妻との出会いで
どんどん積極的になり、施設の先生や児相職員さんとも
「あんなに人見知りだったのにね~」と話していました。
もちろんA君の成長もあるとは思いますが、
A君の親子むすびで改めて自分だけの存在ができることの大きさを実感しました。

まだまだ親子としては始まったばかりで、大変なことも多いと思いますが、
これからも親子を応援していきたいと思っています。






毎月1回開いている、里親子サロン『JBクラブ』も
3月は年度さいごの1回です。
4月になると幼稚園に入って、来られない子どももいるので、
3月のJBでは、かんたんな「修了式」をします。
1年間、元気に遊びに来てくれてありがとう♪の思いをこめて、
そこで、子どもたちに、プレゼントを渡します。
お名前入りで、職員の手作りです。

メダルを作ったり、バッジを作ったり、
アイロンプリントをバッグにつけたり、
コースターに絵を描いたり……etc。
毎年、「ネタ切れだ~っ!」と言いつつ、アイデアを絞り出しています。

今年の最終JBは26日(水)。
直前になって、ようやく「これっ!」というグッズが見つかりました。

春休みに入ってからの開催となったので、
ふだんは幼稚園に行っていて来られない子どもの参加も多くて、
今の時点で、30人近く!
たとえ、3月だけの参加だったとしても、
その気持ちがうれしいので、修了プレゼントは全員に。
三連休、私はおうちでコツコツと素材を作成し、
月曜と火曜の2日間で、みんなでダッシュ!で仕上げます。
喜んでくれたらいいなあ♪

本番が終わったら、FBに写真をアップしま~す。
自分の担当期間を過ぎてしまいました。次の方、ごめんなさい(_ _)

半年前、6歳前に家庭へ迎えられたA君。
新しい場所や人を受け入れるのに時間がかかり、
緊張や不安が高くなると、それを紛らわすかのように、
叩いたり蹴ったりなど攻撃的な態度になってしまいます。
お家に迎えられてしばらくお母さんに、
偉そうな口をきいたり、何かあると叩いたりしていました。
お母さんは、そんなA君の行動の裏になる不安な気持ちや甘えたい気持ちを想像し、
受け止めてきてくれました。


先日、小学校入学の説明会に参加すると
他の子どもたちは、親御さんと離れて会が始まるのを待っていましたが、
A君はギリギリまでお母さんの傍から離れられませんでした。
歌が始まって、ようやく先生に託して、お母さんは保護者だけの説明会場へ。
終わって迎えに行くと、本当に嬉しそうな顔で寄ってくるA君に
愛おしさを感じたそうです。
当のA君は、上級生のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが
一緒に遊んでくれたことが楽しかったようで、
不安で離れられなかったのはなかったように、得意気にお母さんに話したそうです。
「Aらしいでしょ」と笑って報告してくださいました。

新たな小学校生活に少し不安もありつつ、
学校には「行かないと」と思って、少しずつ早起きの練習中でもあります。

3月は卒園、卒業など、別れの季節ですが
新たな世界へ羽ばたく助走の時でもあります。

お家でたくさんエネルギーをもらって、
ただいまA君は入学準備中です。
3月も半ばとなり、毎年のことながら、一気にあわただしくなってきました。
そんな中、Aちゃんと里親さんの実習は粛々と続いています。

初回面会では、先生に抱きついて抱っこされたまま、顔を見せなかった5歳のAちゃん。
それでも、「握手してみよう」という先生の誘導に、顔を見せないまま、
ニョキと手だけ伸ばしてみたり、おみやげのぬいぐるみを手だけ出して受け取ったりしていました。
もちろん声も出さず、ひたすらに顔をあげず、というその徹底ぶりに、
私も「なかなか手ごわい」と感じました。
その日は顔をみることは諦めて、面会は終わることになりました。
しかし、子どものグループのところにAちゃんを連れていったはずの先生が戻ってこられ
「お見送りするっていうてます」と言われるので、見送ってもらうことにし、
玄関を出たところで、先生に抱かれたまま、少し顔を見せたAちゃん。

よくあることではありますが、バイバイをしてこれで別れられる、ということになると
それまで緊張していた子どもがホッとして笑顔になったり、ということがあります。
取材の場面で泣き続きていた子どもが、記者さんや私たちが帰るとなると、
いい笑顔で見送ってくれたりするのは、本当によくあります。
Aちゃんも、面会が終わって「やれやれ」という気持ちで、顔を見せてくれたようです。

翌日から始まった実習では、日々メキメキと様子に変化があります。
話しをするまでには少し日数がかかりましたが、それも確実にかわってきています。

実習の様子を見にいったところ、「お客さんがくる」と聞かされ一気に不安と緊張その他が
わきあがったのか、またまた抱っこされたまま顔をあげてくれません。
しかし、今回は里母に抱っこされています。
Aちゃんの普段の様子をみることはなかなか難しいのですが、
実習中に撮った写真をみると、笑顔だったり、変顔をしたり、
随分ほぐれてきていることがわかりました。

少しずつ関係を深めながら、もう少し、実習は続きます。

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